こんにちわ、おきさやです。
この記事は前記事「Webマーケティングの全体像を理解する」の続きの記事となります。順番に読んだ方が内容が分かるのでまずはこちらを読んでみてくださいね。

前回の記事ではWebマーケティングとはどういうものか、そしてWebマーケティングを学ぶには全体像を把握することが大事ということをお伝えしました。
今回はWebマーケティングを学ぶ際に、知っておくと良い基礎知識についてお伝えします。
ひとつひとつの内容は専門的な内容になるので、ここでの内容はおおまかな概要についてのお伝えになります。
とはいえWebマーケティングを理解するうえで必要な内容ですので、しっかり頭にいれておきましょう。
商品サービスを購入してもらう上で欠かせない消費者の行動心理
おさらいになりますが、Webマーケティングとはお客様に商品やサービスを知ってもらい興味をもってもらい購入してもらう(そして購入後も良好な関係性を築く)までの、一連の仕組みをつくることです。
最高に素晴らしい商品・サービスなのだから黙っていても自然と興味を持ってくれて広まる、好きなタイミングで売りたいように売ってもお客さんが喜んで買ってくれるということは、資本主義社会では残念ながらほとんどありえません。
あらゆる商品やサービスは、ほとんどが消費者の行動心理をとことん研究し売れるように設計されています。

ときには本当にお客様が必要としていなくとも、欲しい・必要と思わせて購入を、、、なんてこともわりとよくあるかも。
マーケティングの施策を考えていくうえで、まず欠かせないのが消費者の行動心理に合わせて施策を行うことです。
消費者が自然に商品やサービスを購入したくなる心理と行動に合わせて必要な施策を行っていけば、消費者が「自分が買いたいから購入する」という状況を意図的につくることができます。
消費者が広告などで商品を知ってから、実際に購入するまでの間のプロセスをモデル化したものを消費者行動モデルといいます。
消費者の行動心理というのは、環境(時代)によっても少しずつ変化していきます。消費者行動モデルの変遷を見ていきましょう。


消費者行動モデルは、米国の著述家サミュエル・ローランド・ホールが1920年に提唱したAIDMAがあります。これは消費者がある商品を知って購入するまでに5つの心理プロセスを踏むという提唱です。
AIDMAはインターネットが普及する以前の消費者の心理と行動モデルです。
テレビやCM、ラジオや新聞などの媒体を使って、いかに消費者の「欲しい」という欲求を高めていく施策を行っていくかが中心ともいえます。
しかしインターネットが出てきてから、消費者の心理と行動モデルに変化が起こります。それがAISASです。
AIDMAと大きく違うのは、インターネット・SNSの台頭により、消費者が自分で検索して調べるようになったという部分です。
また、商品を購入後にSNSで感想などを分かち合いたいという欲求と行動も大きく違いますね。



消費者を取り巻く環境が大きく変われば、それに伴い消費者が商品を欲しいと思い購入するまでの心理行動も変化します。
ですから私たちを取り巻く時代の変化・環境の変化と消費者心理を理解しておくことは、実はとても重要であり同時にそれに合わせたマーケティング施策を行う必要があるのです。
消費者行動に対するWebマーケティングの施策の流れ
Web上で商品やサービスを顧客に購入してもらうには、Webだけでお客さんが商品を知り購入するまでの行動心理を理解し、それに合わせた施策を考えることが必要です。
テレビやチラシ、実店舗からの集客や商品サービスの販売といったマーケティングとは流れが異なるからです。
お客様の心理行動は基本的にはAISASの流れになりますが、Web上での消費者の行動心理は図のような流れをとっていきます。


まず商品やサービスを知っていく入り口はSNSを見て、Webを見て「知ること」が入口です。
Web広告で見たり、YouTubeでの広告、Web記事を読んで、たまたま誰かがSNSで紹介していて、などたまたま目にしたものもあれば、誰かの口コミで聞いて自分で少し調べるということもあります。
最初に知った段階でとくに興味を持たない人もいますし、興味を持った人はさらに先に進みます。
たとえば流れてきたWeb広告をクリックしてLPを読んでみる、商品のWebサイトを読む、商品詳細について書かれている別の人が投稿しているSNS探して読んでいくなどです。
ここでも見てはみたけれど、今は必要ないという方もいればもっと詳しく知りたいという人もいます。
Webの場合は今は購入の必要がないと思っているお客様に積極的にアプローチするのではなく、SNSやメール、LINEなどでゆるやかに繋がり関係性を維持する施策を取ることができます。
今でなくても繋がりを持ち続けることでお客様のタイミングで、商品・サービスについて思い出したり、購入したいと思ってもらえることがあるからです。
そしてより商品やサービスに興味を持った人は、もっとそれについて調べたり、類似した商品はないか、もっと性能などが良いものはあるか、安いものはないかなどを自分で調べていきます。
調べた結果今すぐ購入しない場合は、お客様に対し先ほどと同じように繋がりを維持する施策をとります。
購入を決めた人は、商品サービスがおいてあるWebサイトや、AMAZONや楽天などのネットショップで購入することになります。
お客様は購入後はWebサイトにレビューや口コミを投稿、SNSでシェアなどを行うこともあります。
また売り手側は売った後も、やはり繋がりを持てるようにSNSやメール、LINEなどで繋がり、リピートしてもらうような施策を行います。
お客様は「知る→興味→調べる→購入→購入後」の行動心理を自発的に行っているように思います。しかし意図的にそうしたくなるように施策するのがマーケティングです。
Webマーケティングの役割は消費者心理に沿いながら、お客様に知ってもらう機会を増やす、より興味を持ってもらうようにする、購入したくなるようにする、良いシェアをしたくなるようにする、あらゆる施策を考えて行うこと。
消費者心理と行動を理解することはマーケティングにおいては重要。
Webで集客から購入、購入後の関係性づくりまでを行うには、消費者の行動心理の流れを踏まえ、それぞれの段階でしっかりと施策を考えることが必要です。
そのためにも、消費者の心理をしっかりと理解しながら全体の流れについて把握しておきましょう。
消費者の購入心理に深く関わるUX(ユーザーエクスペリエンス)とは


Webマーケティングに携わるうえで、必ず理解しておくべきことにUX(ユーザーエクスペリエンス)というものがあります。
UXとはユーザー体験、もっというと「企業との接点を通じて、顧客が得る体験のすべて」を指します。
マーケティング(お客様が商品認知から購入に至るまでの一連の流れと仕組み)は時代や環境によって変わっていきます。
モノが少ない時代、なかなか手に入らない時代は「いい商品・サービス」をつくれば消費者が購入してくれる時代でした。
技術が発達し豊かになり、商品・サービスの差別化が難しくなると、消費者の「ニーズ」を見つけてアプローチし購入に至る流れに変わりました。
そしてインターネット普及後は、情報も商品もあらゆるものが手に入れやすく、また情報の発信も誰もができるようになっており、消費者が商品やサービスを購入する理由に「体験」が重視されるようになったのです。
ユーザーにより良い快適な「体験」を提供できる企業が勝つということ。(ユーザーが選ぶ)
このユーザー体験は、企業(商品)との間にあるありとあらゆる接点における体験です。
・Webサイト
・カスタマーサポート
・接客
・商品のパッケージ
・配送方法
・商品POP
たとえばネット通販であれば、Webサイト自体がユーザーが分かりやすいか、使いやすいか、決済しやすいか、物の梱包は丁寧かなど、人であってもモノであってもすべてがユーザーとの出会いであり体験となります。
企業は、ユーザーが購入までにいかにシンプルで分かりやすくスムーズに進められるか、そのユーザー体験をつくるためにはどうすればいいのかを、とことん考える必要があります。
この体験がいまいちであれば、同じような商品やサービスである場合他のところで購入するからです。ユーザーは商品・サービスだけではなく「体験」も含めて購入していると考えていいでしょう。
このあらゆる体験をより良いものにすることを考えることもWebマーケティングにとって重要な要素なのです。
Webマーケティングで主流となるインバウンドマーケティングとは
Webマーケティングを学んでいく際、インバウンドマーケティング、アウトバウンドマーケティングということを聞くことがあります。
インバウンドマーケティングもアウトバウンドマーケティングもWebマーケティングに取り組んでいくうえで大事な考え方なので押さえておきましょう。
インバウンド・アウトバウンドという言葉は業界によって、多少意味合いが違ってきます。
観光業界などではインバウンドは「海外から日本への旅行者」という意味で使われていて、アウトバウンドは「海外に行く日本旅行者」という意味で使われています。
マーケティングでの意味は
インバウンドマーケティング・・・SNSやWebサイトの情報発信することで顧客に見つけてもらい、自ら探しに来た見込み客を、お客様として育てていく事で商品を購入してもらう手法
アウトバウンドマーケティング・・・テレビCMやダイレクトメール、電話営業などによって、顧客を探しアプローチして商品を購入してもらう手法
として使われています。
アウトバウンドマーケティングは一昔前はよく使われていました。
しかし、消費者がインターネットを通して自分でいくらでも情報を見つけ選べるようになると、アウトバウンドで企業側から勝手に来られるアプローチは「押し付け」を感じるようになり嫌悪感を感じるようになってきたのです。
消費者は欲しいものを自ら見つけ購入することが当たり前になっており、企業から追いかけるアプローチは嫌悪感を持たれる、という大前提を踏まえたうえで、ではどのようにして自然な形で顧客の目に触れ、興味を持ってもらえるようにするかを考えるのがWebマーケティングの役割になります。
ただアウトバウンドマーケティングは顧客に嫌われやすいですが、商品のことを知らなかった見込み客にまず「知ってもらう」のには、とても効果があるマーケティングです。
逆に、興味を持って探しに来てくれるインバウンドマーケティングの大きな課題としては、商品やサービスを知らない顧客にはアプローチしずらいという点があります。
Webマーケティングではインバウンドマーケティングが主流となりますが、この課題についても理解して施策を考えることが大切です。
まとめ
Webマーケティングの施策を行っていくには、消費者心理と行動の理解は欠かせません。
またインターネットというツールが台頭したことで、消費者の商品を知り購入に至るまでのプロセスも大きく変化したように、時代と環境によっても消費者の心理と行動は変化していきます。
しっかりと消費者の心理を理解していく事が、マーケティング施策を考えていくうえで大前提であるということをまず頭に入れていきましょう!
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